ローンマウンテンのターコイズで、ここまで大きなものは現在、ほとんど存在しないといっていい。元鉱山主が秘蔵していた幻の石。それを大胆にリングに仕立てたエクスクルーシブなアイテムだ。
チャールズ・ロロマやフレッド・ペシュラカイといったインディアンジュエリーの巨匠たちに愛されたローンマウンテンのターコイズ。
1970年代に最盛期を迎えたが、採掘量の少なさによる希少性に加え、鮮やかで深い青色、豊かに湛えている艶、そして経年による変色や色落ちがほとんどないことなどから人気が高く、3大ターコイズのひとつとされている。
ローンマウンテンのターコイズは、石自体の美しさのみならず、粘りのある硬さがジュエリーにもっともふさわしい。面白いところは、使っていると徐々に照りと光が出てくるところだ。皮脂によってなのかわからないが、こうした現象が起きるターコイズは、不思議とローンマウンテンだけなのである。
この石は、最初の鉱山のオーナーがみずからカットしたものだ。とても荒くグラインダーでカットされていたが、採掘されたナゲット(塊状の石)を、本当にそのままカットして、一番いい硬い部分だけを残している。凹凸のある石の面もそのまま生かされていた。
鉱山は人里離れた山中にあり、採掘の際には何日間も山に籠らねばならない。想像するに、長い夜の時間を持て余し、石をカットしていたのではないか。
そして、そのままの状態で保管されていたものが、長い歳月を経て日の目を見たのだ。実際、この石は鉱山主の三代目から譲り受けた5つのうちのひとつであった。
ローンマウンテンのターコイズは、大きくても1センチから1.5センチほど。この石のように3cmを超えるものは、ほとんど出てこない。しかも、これは本当に硬い石だった。
ここまで状態がいいものは、70年代初頭のローンマウンテンの最盛期に出たものだ。
このスペシャルなローンマウンテンのターコイズを、アイランドという島型のリングに仕立てた。素材はプラチナを使っている。この石の色と光を見ると、青白く光るプラチナがもっとも合うと確信したからだ。シルバーでは、影が出すぎてしまう。すると、石自体の輝きが陰ってしまう恐れもあった。
石の形に沿って食い込ませるように枠をつくったのも、この特別なターコイズを生かすためだ。
これまで数百、数千とオリジナルジュエリーをつくってきたなかで、石を生かすためにどんなことをしたらよいかがわかってきた。そうしたジュエリー製作者としての経験と感覚を、このリングには詰めこんでいる。
特別な時に指先を飾る世界で唯一のリング。希少なターコイズを手の中で楽しんでもらえる時が巡ってきたのだ。
ローンマウンテンのハイクオリティーなターコイズで、ここまで大きなものは、ほとんど存在しないといっていい。元鉱山主が秘蔵していた幻の石。それを大胆にリングに仕立てたエクスクルーシブなアイテムだ。
■カテゴリ: | Ring |
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■作家: | Yasutomo Kodera |
■産地: | Lone Mountain |
■サイズ: |
20.5号 石のサイズ:縦最大:約37mm×横最大:約18mm リング重さ:約93g |