げに美しき、珊瑚の輝き

Yasutomo Kodera Japanese pink coral k18 gold bangle 019



青いアメリカン・ターコイズが空から降りてきた神々の贈り物だとすれば、赤いサンゴは海からのギフトだ。内陸に位置するアリゾナ、ニューメキシコに生きるネイティブ・アメリカンたちにとって、怪しくも鮮やかに輝くサンゴは、存在自体が意味を持つパワーストーンの一種と崇められていた。


実際、ナバホのアクセサリーの中にも、ターコイズとともにサンゴが使われているものが多数存在する。ターコイズとの色の相性、稀少性、そして神秘性。どれをとってもネイティブ・アメリカンたちにとって魅力だったのだ。


SKYSTONEのジュエリーの中にも、サンゴを用いたものがある。それこそ、日本では「モモサンゴ」と呼ばれる、非常に稀少な「ピンクコーラル」をふんだんに使った意欲的なバングルだ。


世界的価値が認められた日本のサンゴ


サンゴが宝石としての価値を持ったのは、地中海産のサンゴからと言われている。ハワイやアメリカ沖などサンゴ礁がある地域にも広がり、光の輝きを楽しむ宝石に対して、深い色合いを持つサンゴに魅了される者も増えていった。


その中でも、特に品質において世界的に評価されているのが、日本産のサンゴだ。


「鉱石資源が乏しい日本で江戸時代以降、サンゴは女性のくしやかんざしに用いられ、ポピュラーになっていきました。さらに歴史を遡れば、中国をはじめとする海外から輸入されたものもあります。ただ、それらは時代ごとの国宝としても扱われるほど稀少なものでした」


暖流と寒流が交わる栄養豊富な日本近海のサンゴは、特に品質が高いとされており、昔から貴重品として重宝されてきた。


平安時代に生まれた「竹取物語」の中で、かぐや姫に求婚する公達への無理難題のひとつ、「龍の首の珠」は、水晶の中に珊瑚珠が入ったものと言われている。また、浄土教の教典にある「七宝」として金、銀、瑠璃(ラピスラズリ)、玻璃(ガラス)、硨磲(シャコ貝)、瑪瑙(オパールなど)と並んで、サンゴが数えられている。


そんな日本産サンゴの特徴は、「血赤サンゴ」とも形容される深く濃い朱色の美しさ。時折含まれる白い部分「フ」も、国産ならではの証しとされている。




ターコイズとの共通点


サンゴは海洋生物の一種だが、装飾品として使えるサイズに成長するまでには長い年月を要する。いま目の前にある大きさになるまで、100年あるいは1000年以上かかっている可能性もある。それだけに価値が認められた時代、当然のごとく乱獲が行われた。


海底に根を張り、海の水質を守りながら、その美しい枝で小さな海洋生物も保護するサンゴ。その生態や役割がわかってからは、ワシントン条約でも規制がかけられており、装飾品としてのサンゴの価値は年々上がっている。これらの点もターコイズと非常に似通っている。


サンゴのサイズを生かす挑戦的なデザイン


このバングルのサンゴは、1〜2kgの国産サンゴの枝から小寺が自ら削り出したもの。所々に入っている白い「フ」は、国産サンゴ特有の自然の造形美。どの粒も非常に美しく淡い朱鷺色を纏っており、余計な穴や傷などもなく、ひとつひとつの品質は非常に高い。


「一般的に、サンゴは枝の中にたくさんの穴を持っています。そこから小さな塊を削り出して磨き、こんなサイズが5つも取れるのはとても珍しい。そこで、このボリュームを生かすために考えたのが、『ジュエリーを守るためのジュエリー』でした」


小寺も認めるこの“奇抜なデザイン”は、ある意味で挑戦であり、確信犯でもあった。


サンゴのジュエリーというと、数珠のように小さな玉をたくさんつなげたブレスレットやネックレス、プレートの中にサンゴを埋め込んだナバホのジュエリーなどが多い。そしてそれは、小さな粒を作るくらいしか、バリエーションが思いつきにくいからでもある。しかし、それらは小寺のイメージとは違った。


「当初は、自分自身で身につけるために仕立てました。ターコイズのバングルやリングなどをつけていると、どうしても石がぶつかったりこすれたりすることがある。それを少し大きめのバングルで守れるとも思ったんです」




美しさを生かすための彫金技術


ひとつひとつのサンゴを支える台座の造形も、非常に凝ったものとなっている。加工が難しい18Kだが、豪華さを演出するためには必然だった。


「こういった形状のサンゴだと、普通のベゼルでは留まらないんです。円錐形をしっかり留めるために、スリットを入れて花の蕾を包み込むようなデザインにしました」


特別な造形だからこそ、所有する喜びを感じられるのがアートの世界。ターコイズリング以上に、このバングルは装飾品というよりも、作品としての位置づけが強いものでもある。そして、このバングルをうまく着こなすには、相応のファッションセンスとアイデアが必要とされるだろう。


「1本だけでつけるのではなく、何本かと組み合わせるとカッコいい。ひと目見ただけでその人に強烈な印象を残すこともでき、時計やターコイズジュエリーと組み合わせることで、ワイルドな中にも“本物の上質さ”を伝えることができます。いつもこだわりを感じられるものを身につけたいという方に、ぜひ試してみていただきたいですね」


年々稀少性が増していくサンゴ。高品質なものを入手できるのは今しかない。

Yasutomo Kodera Japanese pink coral k18 gold bangle 019

国産桃珊瑚のスタッズをK18 ゴールドバングリにセット。

国産の桃珊瑚は赤珊瑚よりも更に深海で採取される。
国産珊瑚である特徴とその証しの ”フ”(白い骨のような部分)が良いアクセントとなっている。
いつ枯渇や採取禁止になるか分からない貴重な国産珊瑚、入手できる時が大チャンスだ。

小寺の挑戦的な作品。
他のバングルとStacking(重ね着け)すると、さらに強烈な個性となる。

Yasutomo Kodera Japanese pink coral k18 gold bangle 019

SOLD OUT
■カテゴリ: Bracelet
■作家: Yasutomo Kodera
■産地: Coral
■サイズ: ◆内 周:約14.5cm   
◆開口部:約2.5cm  
◆最大幅:約1.3cm  
◆総重量:約79.5g
◆石の大きさ
 中央の珊瑚はベゼルから約2㎝突き出しています

※内周+開口部がおおよその腕回りとなります。
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